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  • 2017.02.20 Monday
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グルメレクチャー イタリア・ルネサンスの宮廷宴席、その壮麗なる社交と娯楽

 昨日、プティ・セナクルの人気講座、グルメレクチャー第22回目「ラファエロ展 イタリア・ルネサンスの宮廷宴席、その華麗なる社交と娯楽」を西麻布のレストラン「ソルジェンテ」を会場に開催しました。22回目ともなると、先生もリラックスした印象で、乗りに乗ってお話なさっていました。



今年はイタリア年ということもあり、ルネサンスの三大巨匠の展覧会も開催されます。
その第一弾目が、現在、上野の西洋美術館で開催中の「ラファエロ」展。
今回のレクチャーは音楽やダンス、また、騎馬戦までが余興として催されながら70皿以上の料理をサービスした、それはそれは豪華な食卓をお話と当時の料理とともに楽しもうという主旨の講座です。






当時のレシピ、また、料理をイメージして
安藤シェフが手によりをかけた料理を作ってくれました。サービスされたのは以下のメニュー。



*オードブル;ミックススパイスのパウダーをかけた天然真鯛のカルパッチョ
アンディーヴとラディッシュのサラダレモン風味

〜この当時は、サフランが特に高価だったそう。黄金、また太陽の色ですからね。
また、胡椒も大変珍重されました。丁字も欠かせません。そんな様々なスパイスか薫る贅沢な一皿。生の月桂樹に飾られた金箔がとってもゴージャス!




*メイン;ランド産 鳩胸肉のパルメザン入りパン粉焼き 赤ワインソース
空豆と白インゲン豆のアンクルート添え

〜鳩の胸にレバーを重ねてしっとりと焼き上げた一皿。ルネサンスの時代は、ローストももちろんですが、こうしたフライもよく食べていたようです。空豆、インゲンのパイ包みもとっても凝った一皿。バゲットに鳩のリエットがのったスナックも美味!




*デザート
ブラウンシュガーをまぶしたクリームタルト
マルヴァージア マデラ酒とともに

〜メレンゲで飾られたクリームタルトはとても軽くて美味しいデザート。当時は砂糖がとても高価だったからこうしたお菓子は大変な贅沢品でした。マデラ酒は、当時の枢機卿の好物だったそう。食後酒とともに味わうデザートは何とも上品ですね。


集まった皆さんは、皆、お料理やテーブルセッティグの講師など、プロの方々、また、味にうるさいグルメばかりです。
それでも、スワロスキーのシャンデリアのかかるゴージャスな空間と安藤シェフの凝りに凝った料理に大満足のご様子でした。



この季節にしては5度という、48年ぶりの寒さにもかかわらず一人もキャンセルでずに皆さんにお越し頂けました。ありがたいことです。

次回は、9/1の華麗なるギャッツビーの食卓、そして、12月1日には、ヴェネチアをテーマにしたグルメレクチャーが開催予定です。

こちらも随時HPに掲載していきますので、皆さん、どうぞお楽しみに。

西麻布「ソルジェンテ」
港区西麻布4-10-6
電話03−5468−7111
http://www.nishiazabu-sorgente.jp



■お申込み・お問合せ
カルチャーサロン「プティ・セナクル」
http://www.antiqueeducation.com/










「パーティの歴史21回目 印象派の食卓」@青山、ブノワ

 

皆様、メリー・クリスマス!
3連休明けの今日。いよいよクリスマスですね。みなさんはどんな一日を送る予定でしょうか?
わたしは、パリから帰国している友人たちとお寿司なクリスマスとなる予定です。

さて、3連休のど真ん中の23日。プティ・セナクルの2012年最後の授業、大原先生による「パーティの歴史21回目 印象派の食卓」が開催されました。
ブノワから始まったこの講座。初回は、初代マッシモシェフによる「シーザーの食卓」でした。
懐かしい〜。

 

大原先生の「名画の食卓を読み解く」(大修館書店)が刊行されて初回の授業とあって、
先生の力の入れ具合もいつも以上。トークにも熱が入ります。
印象派といえば、モンマルトル。パリのモンマルトルの当時の様子。また、食べ物&LOVEは切っても切り離せないものということで、その当時の恋愛事情までぐぐっと迫ったお話でした。
「ゴシップ好きじゃなきゃヒストリアンにはなれません」と、先生の言葉に何となく納得。
揺るぎなき好奇心が歴史を紐解く原動力になるのですね。



美しい印象派の絵の背景は、貧困な生活を強いられながらも、惚れ惚れられ、嫉妬され・・・、それをアートに発散させる、なんていう人間らしい営みがあったんですね。
それでも、人々は「古き良き時代」と評する、この世紀末〜1900年はじめ頃のパリ。


あべさんは顔色悪いし、政治にも自然環境にも不安が募るこのごろですが、
わたしたちも印象派の人々のように、強くたくましく、人生を謳歌したいものです。

当日のメニューは以下の通り。
テーマになったルノワールはとてもグルメだったようで、それを反映したとても美味しいメニューでした。赤字がルノワール好みの食材です。


タスマニア産サーモンのマリネ じゃがいもとピクルス グリビッシュソース



豚のロースト肉 インゲン豆のブルギニヨン


洋梨
のベル・エレーヌ〜バニラアイスクリームと温かいショコラソース
生クリームのシュークリーム

ね、美味しそうでしょう〜〜〜。



それから、フラワーアーティスト、市村美佳子さんの大人の女性に似合う「まいにちエプロン」展も今日までです。
リバティーや麻、ワッフル地などすてきなエプロンが並んでいます。
こちらも滑り込み、まだ間に合います。

「まいにちエプロン」展
12/25~20時(19時)まで

http://merge.co.jp/R
090-8640-3375





ガストロノミー・オークション

 ロン・ポアン・ド・シャンゼリゼにあるパリのオークションハウス「アートキュリエル」で、12/16、17にガストロノミーをテーマにしたオークションが開催されるというインフォメーションが届きました。

競売にかけられるのは、シェフ・アラン・デュカスが選んだ骨付き肉!とか、レストラン「アルページュ」のアラン・パッサールが二人の為に特別につくる「クリスマス・ディナー」とか、南仏のオリーブオイル、柑橘類、それからトリュフ、などなど。
フォトジェニックな写真とともに掲載されているカタログをみていると、お腹がググ〜っと鳴りそう。
さすが、グルメの国、フランスならではのオークションですね。

わたしはあまりビール志向ではないのですが、それでも最近、美味しい地ビールが多いように思います。
そんななか、イタリアのビールメーカーが作るCANTINA BALADINは飲んでみたい!て思いましたよ。
シャンパンのようなシックなボトルに入ったビールは、さぞ、高級感溢れるお味なんでしょうね。

試してみる価値あり、かな?

オークションは12/16、17に催されるそうですよ。サイトでもビット可能なので、ご興味ある方はご参加あれ。

また、ガストロノミーといえば、プティ・セナクルのグルメレクチャーも23日に迫っています。
クリスマス会を兼ねたレクチャー。こちらも是非、ご参加ください。

アートキュリエル
http://www.artcurial.com/en/index.asp

グルメレクチャー<パーティーの歴史vol.21 「印象派の食卓」 >

JUGEMテーマ:フランス




■単発クラス グルメレクチャー

<パーティーの歴史vol.21 「印象派の食卓」>

講師:大原千晴


上:Pierre-Auguste Renoir,Luncheon of the Boating Party,1880-1881,The Phillips Collection,Washington, D.C.、下:Claude Monet,Le dejeuner sur l'herbe, (right section), with Gustave Courbet,1865-1866,Musee d'Orsay,Paris.


大変なグルメで、自らもキッチンに立ったモネ、また、その親友で温かな家庭に恵まれたルノワール…。互いに尊敬し合い、よきライバルでもあった19世紀末の印象派の画家たちの食卓を探ります。この日のために用意されたブノワ特製の料理で2012年を振り返りながら皆さんと御一緒に心地良い時間を過ごしたいと思っています。

■日時 12/23(日) 10時半〜13時半
■会場 青山「ブノワ東京」 http://www.benoit-tokyo.com/
■定員 30名
■単発の受講料 会員:9,500円 or チケット2枚+1,500円
                      一般:10,000円
           (フルコース、グラスシャンパン付き)

■どなたでも受講いただけます。

詳しいお申込手順はこちら
http://www.antiqueeducation.com/tejun.html


大原千晴(おおはら ちはる)
英国骨董おおはら」店主。骨董銀器専門家。食文化ヒストリアン。早稲田大学法学部卒業。料理研究家の母・大原照子氏がイギリスに転居したのを機会に、日本と英国を行き来する生活が始まる。その過程で骨董銀器の魅力に開眼し、1991年「英国骨董おおはら」開業。著書に「食卓のアンティークシルバー」(文化出版局)、「アンティークシルバー物語」(主婦の友社)、「名画の食卓を読み解く」(大修館書店)。。

■お申込み・お問合せ
カルチャーサロン「プティ・セナクル」
http://www.antiqueeducation.com/




これまでのグルメレクチャーのようすはこちらをごらんください。
http://antiqueschool.jugem.jp/?cid=2





大原千晴(著)
『名画の食卓を読み解く』(大修館書店)

定価(本体):¥2,200- 発売:2012年7月

大原千晴著「名画の食卓を読み解く」(大修館書店)

 昨日は大原先生を囲んで、大修館書店の担当者である小林ご夫妻と出版打ち上げパーティでした。

ムルソー、コート・ド・ニュイと、とても美味しいワインとそれにぴったりのお料理を渋谷のワインバーでいただきながら、晴れ晴れしたお顔の大原先生と本のすばらしい出来栄えにしたり顔のご夫妻とテーブルを囲んで愉しい会話で盛り上がり。
しばし、暑さを忘れての至極のひとときとなりました。




それにかけて、大原先生の最新著書「名画の食卓を読み特」(大修館書店)を改めてじっくり読みました。

21章に渡って書かれているのは、14世紀末から21世紀に渡るヨーロッパ各国の食卓の歴史です。
古いものは、今とはまったく違うことに感心することしきりですし、近代のものは今在る食卓にも通じる逸話が身近に感じられます。

わたしはジュエリーを専門にしているので、絵画を通してジュエリーを見る事が多いのですが、
食事の場面を通して絵を見ると、歴史を知る上でのキーワードが沢山隠されているのですね。

まず目がいくのが食器。それから、そこにのっている料理です。
人々の食べ方も気になるし、彼らがいる場所にも興味がつきない。

それにしても、この本を読むと、目を皿のようにして絵をみている大原先生とその周りに積み上げられた沢山の研究書・・・。
そもそもこのような本は前例がないから日本語の参考文献はほとんどないはず。となると、先生がこの本を書くために、英語、フランス語、もしかしたら他の言語で書かれたどれだけの資料を読んだか、目に浮かぶようです。
大変だったろうなあ。

わたしが特に好きだったのは「1838年、英国ヨークの食卓」の章。
ここには女流画家が描いた絵を参考に、当時のおもてなしの食器やその風景についてのお話が書かれています。
アンティークマーケットでよく見る陶器のセットはこうして使われるためにあったのですね。
改めてお話を読んで、納得することが大いにありました。
また、その当時の食器の流行についても知る事ができて愉しかったです。



また、最後の章「ルノワールの『船遊びの昼食』」も、当時の食事の様子がまるで見てきたように書かれていてとても親近感が湧きました。

大原先生の話を聴くと、「先生、実はタイムマシーンでその時代に行って来たんじゃないの?」とまるで見て来たようにお話なさることに感心するのですが、まさに、そんな感じ?!です。

わたしの大好きな蚤の市も立つシャトゥーというセーヌ沿いののどかなレストランに集うこの絵の主人公達は、実はモンマルトルの踊り子さんやボヘミアンたちといった、夜の蝶とその周りに集まる怪しげな人たちでもあるんですね。

そうしてみると、かわいらしいと思った女性も、なんだかあだっぽく見えてきましたよ!

大原先生のこの本は、食という場面を通して、絵を解釈する。
美味しい好きには堪らない、新しい絵の見方ができる一冊なのです。

重版もかかる直前との耳寄り情報も。
読んでいない方は、プティ・セナクルのモグリですよ〜。


英国骨董おおはら
http://www.ohara999.com






パリ黄金時代 カフェとレストラン〜アートと文学誕生の原点

 プティ・セナクルの人気講座、「パーティの歴史」が1冊の本にまとまりました。

題名は「名画の食卓を読み解く」(大修館書店)で、著者は、「骨董おおはら」の店主で食文化史ヒストリアンの大原千晴先生です。

 

先日の日曜は、この本の出版記念を兼ねた、20回目「パーティの歴史」の講座を帝国ホテル最上階のラウンジ「アクア」で開催しました。

西洋では、中世の食卓を掘り下げたり、歴史の主人公の料理本が出版されるなど、食文化の歴史を紐解くヒストリアンという職業は一般で気ですが、日本では、未だ未知の分野です。そこに切り込んでいった先生は本当に偉い!

先生がお話したように、この本は「食文化史」という分野での先生のデヴュー作になります。

 

お話は、わたしが大好きな1920〜30年代のパリを描いたウッディー・アレンの映画「ミッド・ナイト・イン・パリス」。パリの見所も満載で、パリ好きにはたまらない映画です。




 

当時、モンパルナスのカフェに集ったキキやマン・レイ、黒人の踊り子、ジョセフィン・ベーカーやピカソやダリといった有名人。また、食通でも有名なヘミングウエーや「華麗なるギャッツビー」そのままの生活をしていたフィリッツ・ジェラルドやその妻ゼルダの食卓についてのお話もとても楽しかったです。

 








また、絵画のパトロン、ガートルード・スタインやアリスがピカソのために用意した料理や、徹夜で遊んだ後には定番のオニオンスープなど、帝国ホテルの美味しい料理も満喫。

 

この1冊の本を書くために、大原先生がどれだけの資料を読んだかを想像すると、本当に「お疲れさま」と心から労いの言葉をかけたい気持ちです。

 

また、20回のレクチャーを続けてきた7年の歳月を振り返ると、この本はわたしと「プティ・セナクル」のスタッフにとって、とても素敵な「ご褒美」です。

今後も生徒の皆さんと時間を分かち合いながら、益々楽しい会を続けていきたいものです。


タイトル:『名画の食卓を読み解く』(大修館書店) 判型:四六版、192頁
定価(本体):¥2,200- 発売予定:7月上旬 ISBN:978-4-469-25082-4
 

帝国ホテル 「インペリアルラウンジ アクア」http://www.imperialhotel.co.jp/j/tokyo/bar/20


JUGEMテーマ:グルメ


もっと知りたい!「パーティーの歴史」【第5回】「シリーズのあゆみ〜大原千晴先生が語る」

JUGEMテーマ:グルメ
 


■<パーティーの歴史 Vol.20
『名画の食卓を読み解く』 出版記念レクチャー
パリ黄金時代 カフェとレストラン〜アートと文学誕生の原点 >
■講師 大原千晴
■日時 7/1(日) 
   【受付開始】10時15分 *時間厳守でお願いします
【開演】10時半〜13時
■会場 帝国ホテル17階 インペリアルラウンジ「アクア」 http://www.imperialhotel.co.jp/j/ 
■定員 20名
■単発の受講料 会員:10,500円 一般:11,500円  (料理、飲み物付き)
■どなたでも受講いただけます。

■お申込み・お問合せ
カルチャーサロン「プティ・セナクル」
http://www.antiqueeducation.com/





『名画の食卓を読み解く』(大原千晴:著、大修館書店)出版のきっかけでもあるこの講座を、

さまざまな角度から掘り下げる特別企画。

みなさんの「なぜ?どうして?」にお答えすべく、特別インタビューを敢行!

大原千晴先生にお話を伺いました。

大原千晴(おおはら ちはる)

英国骨董おおはら」店主。骨董銀器専門家。食文化ヒストリアン。早稲田大学法学部卒業。料理研究家の母・大原照子氏がイギリスに転居したのを機会に、日本と英国を行き来する生活が始まる。その過程で骨董銀器の魅力に開眼し、1991年「英国骨董おおはら」開業。著書に「食卓のアンティークシルバー」(文化出版局)、「アンティークシルバー物語」(主婦の友社)、「名画の食卓を読み解く」(大修館書店)。

石澤季里(いしざわ きり)

フランスの食や地方文化にも通じているフレンチ・アンティーク研究家。プティ・セナクル代表。2000年1月、カルチャースクール「アンティーク・エデュケーション」を開校。現在は、カルチャーサロン「プティ・セナクル」と改名し、「旅して学ぶフランス貴族の暮らし」を軸に、マナーからヨーロッパの美術様式まで、より広く学べる場を提供している。著書に「パリ 魅惑のアンティーク」(阪急コミュニケーションズ)他。


大原千晴先生が語る〜パーティーの歴史シリーズとは?」


【検ヽ催直前編】

質問・構成:プティ・セナクル


Q10.ここ最近のレクチャーでは、20世紀初めのパリに関わりをもつ人々を多く取り上げているように感じます。この時代や人々が、先生やわたしたちの心をひきつける理由はなんだとお考えですか?
(大原)これはまた鋭い質問ですね。世紀末から第一次世界大戦前まで、パリはアートと食に関して、世界の中心だった。この2つの分野について、世界はパリを追いかけていた。世界中からパリを目ざして集まった人々は、伝統や因習に縛られない「自由な生き方」を、この街で実現していきます。退廃的なデカダンスさえ洗練と見えるほどの、非常に先進的な感覚がこの頃パリに誕生している。敢えて言えば、アートにしても食にしても「現代の芽」と呼べるものは、その多くが、この頃パリで誕生している。何事も、最初に生み出されるオリジナルには、非常に強い魅力があります。だから惹かれる。まず、これが第一点目。

次に、今の日本は、誰が見たって、大きな時代の転換点に差し掛かっている。この頃のパリもまた、同じです。巨大なきしみ音を立てながら、時代が大きく転換していく。そこに、ある種の共感を覚える。時代の激変に翻弄される人間、という意味では、とてもよく似ている。敢えて言えば、我々は百年掛かってヨーロッパに近い経済水準を達成し、今はじめて、百年前のパリで、ぶっ飛びの行動をしていた彼らの気持ちが理解できるところに到達した。これ、必ずしも、幸せとはいえませんけれど。「自由な生き方」といえば聞こえはいいけれど、砂粒と化した人間の孤独、これが横溢している。世紀末前後のパリ、両大戦間のパリ、いえ、今の東京の話です。一昔前の日本に溢れていた「憧れのパリ」みたいな感覚とは、決定的に違っている。より切実に、共感できてしまう。だから惹かれる。


タマラ・ド・レンピッカも、1920年代のパリで活躍した画家でした。
vol.14「「パーティの歴史vol.14〜味わい学ぶ、アール・デコ時代の画家の食卓」
2010年開催/会場:「ブノワ」(青山)



Q11.そして、今回のテーマ「パリ黄金時代 カフェとレストラン〜アートと文学誕生の原点」で、ウッディ・アレン監督『ミッドナイト・イン・パリス』に登場するような人々にたどり着くというわけですね。
(大原)そのとおりです。実は、この時代のパリは、世界の中心であった時代の大いなる遺産によって、何とか最後の美しき余光を発していた、そういう時代です。経済の覇権は19世紀半ばまでには大英帝国ロンドンが世界の中心となっています。そして、第一次世界大戦(1914-18)以降は、ニューヨークが世界経済の中心となっていく。『ミッドナイト・イン・パリス』は、その大きな転換点にあった時代のパリを描いた作品です。その話の中心は、要するに「パリのアメリカ人」です。
 
この「パリのアメリカ人」というのは、この時代の少し前の時代から、アメリカの文学や美術・音楽の世界で、ひとつのテーマとなっている世界です。それが、この両大戦間という時代に頂点に達する。なぜ、多くの若いアメリカ人たちが、この頃パリにやってきたか。まずは、圧倒的なドル高であったこと。明日のアーティストを目指す若く貧しいアメリカ人でさえ、僅かなドルで、パリでは自由に暮らすことができた。さらに、アメリカはこの頃、禁酒法の時代で、なかなか息苦しい、そういう部分もありました。更に、ヨーロッパは戦争で非常に疲弊し、パリでお金を羽振りよく使えたアメリカ人は、それまでの時代では考えられないほど、大きい顔でパリで羽振りを利かすことができた。お金持ちのアメリカ人であれば、これはもう、リビエラには別荘、パリには高級アパートで、部屋をモダンなアーティストの絵で飾るなんてことが、余裕でできた。


会場は上野万梨子さんのスタジオでした。先生のおしゃれなお料理に舌鼓!
vol.18「シャネル、ピカソ、コクトー・・・トラン・ブルー時代 夢のリヴィエラの食卓」
2010年開催/会場:「ギャラリーリブレ」

ウッディ・アレンは、この時代のパリを、非常に優しい視線で描いてます。敢えて言うと、この映画は、その時代背景を知っているかどうかで、見え方がまるで違ってくると思います。知っていれば、それはもう、一場面一場面これすべて、面白い。でも、背景を知らなければ、さしてメリハリのないストーリーが淡々と展開していくだけの、何だか手応えの感じられないつまらない映画、ということになる、と思います。

なので、私の話をお聞きになれば、映画を何倍も面白く見ることが出来ます。そして、この映画を通して、現代のアートが誕生する原点を、鮮やかな印象とともに理解することが出来るようになるはずです。一見淡々とした流れのこの映画が、なぜ、2012年米国アカデミー賞の脚本賞を受賞することができたのか。レクチャーをお聞きになれば、その理由がお分かり頂けると思います。ちょっと手前味噌ですけれど、本当ですよ。



Q12.今回は記念レクチャーでもありますね! お食事をビュッフェスタイルにした理由は?
(大原)今回がシリーズ第20回目です。で、ビュッフェスタイルは初めての試みです。私の立場からは、ふたつの目的があります。

ひとつは、皆様とゆっくりお話をさせて頂きたい。こんなに長い間やってきたのに、これまで、参加者の皆様とゆっくりとお話を交わすという機会は全くありませんでした。多少のご質問にお答えする、という程度でしたから。着席では、そうならざるを得ません。今回は、おいで頂いた皆様全員と、じっくりお話をさせて頂きたい。その意味で、初めての試みです。

もうひとつは、参加者の皆様同士の交流、出会いの場として頂きたい、ということです。このレクチャーの参加者は多彩です。でも、食に関心が深いという点では、並外れている皆さんが揃っていらっしゃる。仕事にしてる方もいらっしゃる。これまでは、参加者間で、余り交流ができませんでした。着席でしたから。今回は、主催者である我々が工夫して、参加者の皆様が、出来る限り多く、他の参加者と交流できるような工夫と仕掛けをあれこれ考えているところです。

なので、お一人で参加なさっても、絶対に、一人ぽつんとなんてことには、なりません。むしろ、私や季里さんを含めて、次々といろいろな皆さんと気楽にお話が出来る場となるはず。これがきっかけで、新しい出会いが生まれる。そういう場としたいと思っています。季里さん、そうですよね。

(石澤)はい、そうです!そもそもプティ・セナクルの生徒さん達は知的で好奇心旺盛、バイタリティー溢れる方ばかりなんですが、そのなかでも、特に、このグルメレクチャーに参加してくださる方は、料理研究家さんだったり、テーブルセッティングやティーインストラクターの資格をお持ちの方だったりと、とにかく多彩なんです。

もちろん、皆さんグルメでいらっしゃるから、レクチャー後のお食事のときの会話はいつも盛り上がります。これまでもお一人でご参加の方は、そばの方をご紹介して楽しんでいただくよう工夫はしてきましたが、通常は早くいらした方から座っていただく着席形式なので、たまたま隣合わせの方とばかりお話することになりがちですよね。

それならば、20回目というこの機会に、もっとお互いに会話を楽しまれて、皆さん同志がお仲間になってしまえば、プティ・セナクルの輪がうーんと広がるんじゃないかって。これって実は、私が日頃から願っていることなんです。スタッフの私たちも、お客様同士をどんどんお引き合わせできるよう、皆さんのことをなるべく存じ上げておきたい。そんなこともあって、現在、お申し込みがあった生徒さんには趣味やご職業を伺っているところです。

会場になる帝国ホテルは、いわゆる北欧スタイルのビュッフェ・バイキングを日本で最初にはじめたともいえる場所で、その味にはとても定評があります。食べ放題とはちょっと違う、「お好きなペースでチョイスして召し上がれるラグジュアリーなビュッフェ・スタイルレストラン」。ここのキッチンでこの日のために作られたお料理、そして、ローリング・トゥエンティーのカクテル(ノンアルコールもあり)を満喫していただくという企画で、私自身もとても楽しみにしているんです。



Q13.  20回目を迎えたシリーズ、今後は、どのように発展していくのでしょうか?
(大原)たぶん、今回、皆様から沢山お話をお聞きして、これをヒントに、季里さんとあれこれお話して、そこからまた何か新しい方向性が生まれてくると思います。もともと「瓢箪から駒」で生まれたこのレクチャー。これが20回も続いて、しかも、一冊の本にまで結実するなんて。始めた時には、そんなこと、考えてもみませんでした。

だから、グルメレクチャー、今後のことは、ぜーんぜん、わかりません。でも、食文化の世界は広く深い。だから、無限の可能性がある。という言葉で締めくくりたいですね。


タイトル:『名画の食卓を読み解く』(大修館書店) 判型:四六版、192頁
定価(本体):¥2,200- 発売予定:7月上旬 ISBN:978-4-469-25082-4





【7/1 グルメレクチャーvol.20】でお会いしましょう!!

もっと知りたい!「パーティーの歴史」【第4回】「シリーズのあゆみ〜大原千晴先生が語る」

JUGEMテーマ:グルメ
 



■<パーティーの歴史 Vol.20
『名画の食卓を読み解く』 出版記念レクチャー
パリ黄金時代 カフェとレストラン〜アートと文学誕生の原点 >
■講師 大原千晴
■日時 7/1(日) 
   【受付開始】10時15分 *時間厳守でお願いします
【開演】10時半〜13時
■会場 帝国ホテル17階 インペリアルラウンジ「アクア」 http://www.imperialhotel.co.jp/j/ 
■定員 20名
■単発の受講料 会員:10,500円 一般:11,500円  (料理、飲み物付き)
■どなたでも受講いただけます。

■お申込み・お問合せ
カルチャーサロン「プティ・セナクル」
http://www.antiqueeducation.com/





『名画の食卓を読み解く』(大原千晴:著、大修館書店)出版のきっかけでもあるこの講座を、

さまざまな角度から掘り下げる特別企画。

みなさんの「なぜ?どうして?」にお答えすべく、特別インタビューを敢行!

大原千晴先生にお話を伺いました。

大原千晴(おおはら ちはる)

英国骨董おおはら」店主。骨董銀器専門家。食文化ヒストリアン。早稲田大学法学部卒業。料理研究家の母・大原照子氏がイギリスに転居したのを機会に、日本と英国を行き来する生活が始まる。その過程で骨董銀器の魅力に開眼し、1991年「英国骨董おおはら」開業。著書に「食卓のアンティークシルバー」(文化出版局)、「アンティークシルバー物語」(主婦の友社)、「名画の食卓を読み解く」(大修館書店)。

石澤季里(いしざわ きり)

フランスの食や地方文化にも通じているフレンチ・アンティーク研究家。プティ・セナクル代表。2000年1月、カルチャースクール「アンティーク・エデュケーション」を開校。現在は、カルチャーサロン「プティ・セナクル」と改名し、「旅して学ぶフランス貴族の暮らし」を軸に、マナーからヨーロッパの美術様式まで、より広く学べる場を提供している。著書に「パリ 魅惑のアンティーク」(阪急コミュニケーションズ)他。


大原千晴先生が語る〜パーティーの歴史シリーズとは?」


【供―佝琶圈

質問・構成:プティ・セナクル


Q8.このたびご本を出版されることになりましたね!レクチャーの内容がベースになっているのですか?
(大原)『名画の食卓を読み解く』(大修館書店)という一冊です。7月中旬発売予定です。この講座がきっかけとなって誕生した記念すべき一冊です。
 
このグルメレクチャーをお聞きになって興味を持って下さったのが、大修館書店の編集者でいらっしゃる小林奈苗さん。で、同社発行の月刊誌『英語教育』で、食をテーマに連載記事を書いてみませんか、とお誘い頂きました。毎回2500字内外で、原則1年。テーマは「絵画の食卓を読み解く」で、毎月「食卓を描いた絵画」をその歴史背景に踏み込んで、食文化史の視点から、あれこれお話する、という連載です。これが思いのほか好評を頂き、連載が2年間継続しました。で、これに加筆することで、一冊の本として新たに出版して頂けることになった。というわけです。なので、このレクチャーをスタートさせて下さった石澤季里さんには、ほんとうに感謝しています。


新連載は『食卓の歴史ものがたり』としてスタートしました。
「英語教育 2009年4月号」(大修館書店) p.66 第1回<食卓で手を洗う> 部分

取り上げているテーマそのものについていえば、レクチャーと重なる部分が大いにある、と思います。でも、1時間掛けてお話をするのと、数千文字で文章にまとめるのとでは、まったく世界が異なります。レクチャーであれば、ある程度話が飛んでも、むしろそれを楽しんで頂くことが出来る。でも、文章では、そんな気ままは許されません。その意味では、レクチャーのほうが、ずっと情報量が多いと思います。

その反対に、ロンドンの魚河岸、なんてテーマは、これだけではレクチャーにはできません。でも、文章なら十分に楽しんで頂ける。敢えて言うと、文章のほうが、話よりもはるかに、密度が濃い。読者の皆様に、そう思って頂けると嬉しいのですが。執筆に時間はかかりましたが、ぐっと密度をあげられた、そんな手ごたえがあります。


食卓、インテリア、道具類・・・、絵画には、時代の貴重な情報が詰まっているのがよくわかりますね。
「英語教育 2009年12月号」(大修館書店)p.61 第9回<英国マナーハウスの蒸留小屋> 部分


Q9.それは期待が高まりますね!具体的にどんな内容か教えていただけますか?
(大原)では、目次をご紹介してみましょうか?テーマを見てるだけでも面白いんですよ。
 
・紀元前4世紀末、古代エトルリアの宴
・14世紀末パリの幼妻へ、老夫からの箴言
・15世紀フランス王族、新年の宴
・食卓で手を洗う中世の貴族たち
・英国中世,修道士の肉食
・華麗なるイタリア・ルネサンス宮廷宴席
・16世紀中期フランドル農民の食卓
・デューラーの絵に見る四体液説と料理
・17世紀中期オランダ都市の食卓
・女王エリザベス祇ぁぜ蹐蠅留
・19世紀初頭ロードメイヤーの宴席
・1838年英国ヨーク、女性画家の食卓
・アフタヌーン・ティーの舞台裏
・英国マナーハウスの蒸溜小屋
・19世紀末ロンドンの魚河岸
・テキサス・カウボーイの食卓
・19世紀末英国のディナー・パーティー
・ルノワール「舟遊びの昼食」
・アブサンの時代・大戦間パリのカフェ
・ホッパーの描くニューヨークのダイナー

・コラム1「シンポジウム」(古代ギリシアの酒席)
・コラム2「アランビック」(=蘭引=蒸留器の由来)
・コラム3「14世紀末、幼妻の心得」(40才差の幼妻への箴言)
・コラム4「中世修道院ビジネス」(頭脳ビジネス集団)

・もっと知りたい人のための読書ガイド
 
本の中身は、非常にユニーク、そう断言できます。なぜか。これまでも「食卓の絵画」をテーマとした本は、我が国でも何冊かすでに出版されています。当然ですが、その執筆者は、ほとんどが美術史家の先生でいらっしゃる。なので、確かに「食卓の絵画」がテーマではあるけれど、そこに書かれている内容は、絵画の構図や画法、美術史上での意味、画家の生涯におけるその絵の意味合い、制作にまつわる裏話というような内容が主です。絵に描かれたお料理や、その時代の宴席のやり方、なんて話が詳しく説明されることは、まずない。


タイトル:『名画の食卓を読み解く』(大修館書店) 判型:四六版、192頁
定価(本体):¥2,200- 発売予定:7月上旬 ISBN:978-4-469-25082-4
 
今度出る私の本は、いわば、その対極にあります。基本は、絵画を美術史の研究対象として見るのではなく、食文化史の「史料」として読み解く、という視点です。その絵に描かれた「食卓」の背景から、どのような社会と人間が見えてくるのか。彼らは何を食べ、誰がどうやって料理を作り、どのように食卓でサーブしたのか。素材となる野菜やお肉はどうやって調達したのか。食卓でどんな話を交わしたのか。宴席であれば、そこに描かれた宴席の、際立った特徴は。何か。などなど、食の歴史を中心に、絵を読み解いていく。これが今度の本の基本的なテーマです。

これまで日本で、こうした方向から絵画に切り込んだものは非常に限られているのではないかと思っています。


【検7/1開催直前!編】につづく

もっと知りたい!「パーティーの歴史」【第3回】「シリーズのあゆみ〜大原千晴先生が語る」

JUGEMテーマ:グルメ





■<パーティーの歴史 Vol.20
『名画の食卓を読み解く』 出版記念レクチャー
パリ黄金時代 カフェとレストラン〜アートと文学誕生の原点 >
■講師 大原千晴
■日時 7/1(日) 
   【受付開始】10時15分 *時間厳守でお願いします
【開演】10時半〜13時
■会場 帝国ホテル17階 インペリアルラウンジ「アクア」 http://www.imperialhotel.co.jp/j/ 
■定員 20名
■単発の受講料 会員:10,500円 一般:11,500円  (料理、飲み物付き)
■どなたでも受講いただけます。

■お申込み・お問合せ
カルチャーサロン「プティ・セナクル」
http://www.antiqueeducation.com/





『名画の食卓を読み解く』(大原千晴:著、大修館書店)出版のきっかけでもあるこの講座を、

さまざまな角度から掘り下げる特別企画。

みなさんの「なぜ?どうして?」にお答えすべく、特別インタビューを敢行!

大原千晴先生にお話を伺いました。

大原千晴(おおはら ちはる)

英国骨董おおはら」店主。骨董銀器専門家。食文化ヒストリアン。早稲田大学法学部卒業。料理研究家の母・大原照子氏がイギリスに転居したのを機会に、日本と英国を行き来する生活が始まる。その過程で骨董銀器の魅力に開眼し、1991年「英国骨董おおはら」開業。著書に「食卓のアンティークシルバー」(文化出版局)、「アンティークシルバー物語」(主婦の友社)、「名画の食卓を読み解く」(大修館書店)。

石澤季里(いしざわ きり)

フランスの食や地方文化にも通じているフレンチ・アンティーク研究家。プティ・セナクル代表。2000年1月、カルチャースクール「アンティーク・エデュケーション」を開校。現在は、カルチャーサロン「プティ・セナクル」と改名し、「旅して学ぶフランス貴族の暮らし」を軸に、マナーからヨーロッパの美術様式まで、より広く学べる場を提供している。著書に「パリ 魅惑のアンティーク」(阪急コミュニケーションズ)他。


大原千晴先生が語る〜パーティーの歴史シリーズとは?」


【供“展編】

質問・構成:プティ・セナクル


Q4. 思い出深いお料理やシェフのエピソードなどあったら教えて下さい。
(石澤)アラン・デュカスさんプロデュースのレストラン「ブノワ」。こちらはことあるごとに御世話になっています。デュカスさんの愛弟子である歴代のシェフ、マッシモシェフ、小島さん、ダビッドシェフ。みなさん、まさに「食の歴史を掘り起こすことをおもしろがれるシェフ」でした。ご自身で文献を調べてくださることもありましたね。

マッシモシェフにいたっては、ローマのそばの小さな村のご出身で、わたしたちの知らないかの地に伝わる料理まで提案してくれたんですよ! vol.6「イザベラ・デステの食卓」がそうだったんですが、フランス料理店のはずのブノワが当日だけは、イタリア料理店に変身してしまった!

メートル・ドテルの北平さんも毎回、一緒になって雰囲気を盛り上げてくださいますしね。そんな意味では、「ブノワ」は素晴らしい思い出がいっぱいのレストランです。


レクチャーで供されたブノワのお料理の数々


Q5. 始められた当初、これほど長くシリーズが続くと想像されていましたか??
(大原)第1回目が好評だったので、数回は続くかもしれない、と思いました。でも、こんなに回を重ねる事になるとは、夢にも思ってみませんでした。だって、単に私が歴史調べが好き、というだけではダメなわけで、お客様あってのことですから。だから、ここまで続いていること、すごく嬉しいですね。

(石澤)本当にそうですね、毎回、講座のご案内が届くのを楽しみにしてくださる方がいて、足を運んでくださる方がいて・・、だからこそ、続けられたわけですからね。わたしもうれしさと感謝の気持ちでいっぱいです。


Q6.レクチャーのテーマはどのように決めているのですか?毎回、新しいテーマに取り組まれていて、お話をまとめるのにご苦労もあると思うのですが。
(大原)テーマは季里さんと私が話しあって、そのときの会話の流れの中で自然に決まっていきます。ときには、季里さんから「次回はこういうテーマで」とご指定を頂くこともあります。基本的には、どんなテーマでも、まずは挑戦してみよう、そういう気持ちです。なぜかって言うと、これを続けてきたことで、自分自身がすごく鍛えられましたから。


大原先生の資料をもとにメニューの打ち合わせが行われます。
vol.12「19世紀パリ花開くレストラン文化」の打ち合わせ資料より
2009年開催/会場:「ブノワ」(青山)

で、季里さんとのお話の中で、「こんなテーマ面白そうなんですけれど、どうでしょうか」と言われたら、まずは、それを家に持ち帰って、下調べをする。で、とても出来なそうだったら、諦めるよりほか仕方ありませんけれど、今までそういうケースは少ないですね。多少無理してでも、なんとか挑戦してみようと、そう思ってスタートしました。それが正解だったと、今は思っています。私は生来のグータラで、それもひどいグータラですけれど、歴史を知りたい! という好奇心は人並みはずれて強いものがあります。だから、そのために長時間、様々な本を読んだり専門的な論文を読んだりということは、まったく苦になりません。グータラな私が、この点だけは、グータラじゃない。まあ、好きだからなんですね。

もともと史料集めは趣味でしたけれど、この講座やらせて頂くようになってから、それに輪がかかって、今じゃ自宅の一室は、完全に古本屋状態です。でも、それが、楽しい。だから、話をまとめるのは、確かに「苦労」ではあるけれど、結局、好きだからやってるんですよね。。


素材・調理法・スパイス・・、シェフのクリエイティビティもみどころです。
vol.10「月の満ち欠け豊穣の食卓」の打ち合わせ資料より
2008年開催/会場:「ラビュット・ポワゼ」(自由が丘)


Q7.レクチャーのテーマの取り上げ方、切り口が少しずつ変化してきたようも感じますが?
(大原)そういう風に見えますか? このレクチャーをスタートした7年前と今とでは、私自身の知識の広がりと深さが、大きく違ってきています。自分で言うのも何ですけれど、ずっと勉強を続けてきましたから。「食」という世界に絞っていても、その周辺も含めて、ある時代のある人間が生きた世界を描くことが出来て、始めて皆様がより深く楽しめるような話になるわけで。

例えば前回のvol.19「ロートレックと印象派の画家の食卓」なんて、7年前なら、知識不足で、とてもちゃんとしたレクチャーにはならなかったと思います。でも、今は、彼の人間と時代の関わり方というようなところにまで、多少踏み込んで、お話することができる。このあたりが、大きな変化かもしれません。敢えて言うと、昔は、食卓と料理と食器や食材の話が中心。今は、その舞台に登場する「人間」と「時代」というあたりも、非常に重要な要素としてお話ししている。そんな感じです。


Vol.19 「ロートレックと印象派の画家の食卓」
2011年開催/会場:「ブラッスリー・オザミ」(丸の内)



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もっと知りたい!「パーティーの歴史」【第2回】「シリーズのあゆみ〜大原千晴先生が語る」

JUGEMテーマ:グルメ


■<パーティーの歴史 Vol.20
『名画の食卓を読み解く』 出版記念レクチャー
パリ黄金時代 カフェとレストラン〜アートと文学誕生の原点 >
■講師 大原千晴
■日時 7/1(日) 
   【受付開始】10時15分 *時間厳守でお願いします
【開演】10時半〜13時
■会場 帝国ホテル17階 インペリアルラウンジ「アクア」 http://www.imperialhotel.co.jp/j/ 
■定員 20名
■単発の受講料 会員:10,500円 一般:11,500円  (料理、飲み物付き)
■どなたでも受講いただけます。

■お申込み・お問合せ
カルチャーサロン「プティ・セナクル」
http://www.antiqueeducation.com/





『名画の食卓を読み解く』(大原千晴:著、大修館書店)出版のきっかけでもあるこの講座を、

さまざまな角度から掘り下げる特別企画。

みなさんの「なぜ?どうして?」にお答えすべく、特別インタビューを敢行!

大原千晴先生にお話を伺いました。

大原千晴(おおはら ちはる)

英国骨董おおはら」店主。骨董銀器専門家。食文化ヒストリアン。早稲田大学法学部卒業。料理研究家の母・大原照子氏がイギリスに転居したのを機会に、日本と英国を行き来する生活が始まる。その過程で骨董銀器の魅力に開眼し、1991年「英国骨董おおはら」開業。著書に「食卓のアンティークシルバー」(文化出版局)、「アンティークシルバー物語」(主婦の友社)、「名画の食卓を読み解く」(大修館書店)。

石澤季里(いしざわ きり)

フランスの食や地方文化にも通じているフレンチ・アンティーク研究家。プティ・セナクル代表。2000年1月、カルチャースクール「アンティーク・エデュケーション」を開校。現在は、カルチャーサロン「プティ・セナクル」と改名し、「旅して学ぶフランス貴族の暮らし」を軸に、マナーからヨーロッパの美術様式まで、より広く学べる場を提供している。著書に「パリ 魅惑のアンティーク」(阪急コミュニケーションズ)他。


大原千晴先生が語る〜パーティーの歴史シリーズとは?」


【機|太己圈

質問・構成:プティ・セナクル


Q1. グルメレクチャーが誕生したきっかけを教えてください。
それまではプティ・セナクルで、アンティークシルバーの講座、何度かやらせて頂いてました。ヨーロッパの銀器というのは、基本的に、食器です。なので、アンティークシルバーの世界をきちんと知ろうと思ったら、それが使われた時代の欧州の宴席がどのような形で行われていたのか、これを知らなければいけない。でないと、銀器のことも、わからない。だから私は骨董銀器を専門とするようになってから、ヨーロッパの古い時代の食卓をあれこれ調べ始めていたわけです。で、実際にこれを調べ始めると、これが、面白い。しかも、ビックリするくらい、奥が深い。

 
左:大原千晴(著)『食卓のアンティークシルバー』(文化出版局)
右:大原千晴(著)『アンティークシルバー物語』(主婦の友社) 


もともと母が料理の先生ですし、子供の頃から「料理」とか「食文化」という専門世界については、これを見聞きして育っているわけで、その意味では、典型的な「門前の小僧」です。でも、だからといって、中世のヨーロッパで貴族がどんな宴席をやっていたかなんて、そんなことは、知らなかった。だいたい日本ではこれまで、そういう古い時代のヨーロッパの食卓については、あんまり紹介されて来なかった。それだけに、これを調べ始めてみると、これまで知らなかったことが、次々と出てくる。「へえーっ、そうだったのか!」の連続です。

で、石澤季里さんとお食事をした際に、ワインの力も手伝って、そんな話が、出た。そしたら季里さんが「だったら、それで講座やって見ませんか」というひと言。季里さんは、こういう決断が早い。私とは、正反対。言われた以上、「物は試し、やってみましょう」と、こちらも挑戦してみようという気になった。2005年の春だったと思います。今から7年前ですねえ。


Q2. 第1回目は、どんな内容、会場だったのですか?
第一回目のタイトルは「ルネサンスのイスラミック・パーティー」。イタリアルネサンス期の宴席には、お料理も含めて、実に様々な形でイスラーム圏からの影響が見られる、というのが、基本テーマです。これ、この頃、まだあまり知られていなかったテーマです。で、季里さんが凄い会場を見つけてきた。

本物のアラブの富豪の子弟が、日本のある巨大会社で働いていらっしゃった。完全に特別待遇の「お客様」という立場でいらしたとは思いますが、とにかく、日本で働いていらした。で、その方の東京での住居、これが一歩中に入ると、イスラームというか、アラブの雰囲気一杯。我々からすれば、なんだか千夜一夜物語の世界が思い浮かぶような、そんな邸宅なのです。しかも、驚いたことに、専従の料理人がいらっしゃる。日本の方でしたけれど、本物のアラブ料理をお作りになる。というわけで、こちらを一夜お借りして、その方にお料理を作って頂き、そこで、お話をしたわけです。

そうそう、スペインから南仏では、今もたどっていくと、アラブ文化の痕跡に出会うことがあるんですが、それを音楽でやっている人達がいて、古い南仏の音楽なのに、まるでイスラームみたい聞こえるという、そんな音楽を流して聞いて頂いたりもしました。また、お話は料理関連だけではなく、建築から衣装に至るまで、実に様々な場面で、ルネサンス期のイタリアの諸宮廷には、イスラームの影響が見られます、なんて話をあれこれさせて頂きました。これが、評判が悪くなかった。


これまでの講座で配布された資料
上左から「vol.9オランダ絵画の食卓」「vol.5英雄シーザーの食宴」「vol.10 月の満ち欠け豊穣の食卓」/下左から「vol.4アフタヌーンティー」「vo.l2中世修道院のハーブと薬草酒」「vol.6イザベラ・デステの食卓」「vol.19ロートレックと印象派の画家の食卓」


Q3.そこからシリーズ化してゆくわけですね。その後は、いろいろなレストランを会場に開催されてきたようですが、どんなポイントで会場を選ぶのですか?
これは基本的には、季里さんの担当です。話のテーマにあったお料理を作ってい頂ける、そんなシェフがいらっしゃるお店、というのが基本です。他にも幾つか条件がありますけれど、ここは季里さんが一番ご苦労なさっている。ね、そうですよね。

(以下、石澤季里)先生がおっしゃった「テーマにあったお料理」はもちろんですし、会場の雰囲気も重要です。でも、最終的にはお料理の美味しさです。ここは譲れません。

例えばvol.17「世界屈指の高級ホテル『リッツ・パリ』 天才料理人誕生のひみつ」この天才料理人とは、もちろんエスコフィエですよね。で、その味を受け継ぐ「ムッシュ」こと村上シェフのことが頭に浮かんで、だったら、彼が長年料理長をつとめ、今も伝統を守り続ける帝国ホテルの「ラ・ブラッスリー」がぴったり!!とひらめくわけです。

実際、「ラ・ブラッスリー」には、ロートレックのポスターも飾られていて、1900年のパリをイメージさせるインテリアなんですよ。フランス人のインテリアデザイナーが内装を引き受けたとかね。おもしろいほど話が繋がっていくんです。


vol.17「世界屈指の高級ホテル『リッツ・パリ』 天才料理人誕生のひみつ」
2011年開催/会場:「ラ・ブラッセリー」(帝国ホテル)


そうそう、ジャックリーヌ・ケネディもとりあげましたよね!彼女、ルコントさんのプリンが大好きで、バハマの別荘にわざわざフランスから夏期バカンス中の彼を呼び寄せて好物のプリンを作らせていたんですって。じゃ、ルコントさんの愛弟子といったら麹町の「シェ・シマ」の島田さんにお願いしようかしら...という具合です。これは、vol.16「ファーストレディの華麗なる策略 ジャクリーヌ・ケネディーのもてなし術」でしたね。

「パーティーの歴史」に限らないことですけれど、「プティ・セナクル」のレクチャーは、テーマの幅がとても広いんです。なので、いかに情報の種を持っているかが「鍵」といえます。その意味では、わたしのレストラン選びは、間違いなくグルメな友人たちに支えられていますね。美味しいものを愛する人に支えられて「パーティーの歴史」シリーズがバージョンアップしてこれたと思っています。



【供“展編】につづく

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「プティ・セナクル」「石澤季里アンティーク・エデュケーション」では毎回その道の専門家を迎え、経験豊かで探究心旺盛な都会の大人たちの欲求を満たす、個性溢れるカルチャーサロンを主催しています。
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2016/11/19〜11/26
旅して学ぶ貴族の暮らし「パリ、ヴェルサイユ、ロワール地方で18世紀のシャトーライフを体験 マリー・アントワネットの幸せ人生を辿る旅」の詳細はこちら


プティ・セナクルの本
2012年6月8日発売

「これから愉しむアンティーク ヴィクトリア朝」(メディアパル) 監修:プティ・セナクル/蜷川浩史・石澤季里・大原千晴・木本玲子・中島正晴、文:植田裕子/石澤季里
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