<< 銀座・京橋のニュースポット紹介 | main | オークションハウスへようこそ >>

スポンサーサイト

  • 2017.02.20 Monday
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

一定期間更新がないため広告を表示しています


バラ好きな女性たち

まだ、春の間もないころ、ボタニカル・アーティストの小川智子さんの取材で葉山に行きました。本物の花をじーっくり観察し、そのグラデーションから茎の曲がる細部にまで気を使いながら写真のごとく、植物を如実に水彩で描くのがボタニカル・アート。その知的な美しさは日本ではまだまだ知られていない存在・・・。
なんて思っていたのですが、文化村で開催中の「薔薇空間〜宮廷画家ドウーテとバラに見せられた人々」に行ってびっくりしました。そこには、あらゆる年齢層の女性が溢れていたのです。この方たち、みんなボタニカルアートの親交者なの?

昔務めていたフランス国立美術館連合では、植物好きのルイ14世がヴェルサイユの植物園で育てている様々な植物を図鑑にするために職人に依頼して作られた、カリコグラフィーという銅版画を販売していました。17世紀からの銅版画がきちんとした形で保存され、ときどき取り出しては専用の機械で刷り、それに手で色づけしていきます。紙の種類も何枚かあって、日本の紙はいいんだよと教えられた覚えがあります。紙は丸一日水につけてから用いるのです。工房はたしかモンパルナスでした。その機械自体も19世紀のもので、アンティーク。刷り方ひとつでも出来映えが違ってくるのがこの世界。ボタニカル・アートの起源はここにあると聞いて、大いに納得したものです。
余談ですが、ナポレオンもエジプトに遠征したときはスケッチをする画家を伴い、現地の様子をさまざまな角度から描かせ、フランスに戻ってから銅版師に彫らせて、それを銅版画に残しているのですよ。写真のない昔、みんないろいろな工夫をして記録を残したのですね。

今回展示されている作品はそのほとんども、銅版画でそれに後で着色されているものです。噂には聞いていましたが、ルドウーテの花の構図、花びら一枚、葉脈一本にまで心を込めて描いた彼の静物画は本物ともまた違う瑞々しい美しさを放っています。それにしても、妖艶なダマスク系、愛らしいアルバ系、そしてマリ・アントワネット始め、宮廷人が好んで自らの肖像画とともに描かせたケンティフォリア系と、ばらと一口にいっても様々な原種があるんですね。インドの薔薇はその名もマイセンの陶磁器に描かれていたり、南仏に渡った草木染めに沢山描かれていますが、ルビーやガーネットを思わせるそのエキゾティックな色合いが魅力です。たわわに花びらがついて首をもたげているベンガル薔薇は、民族衣装に身を包んだ、インドの美女といった風です。

薔薇の香水というのもいろいろありますね。昔パリの友人たちの間でティー・ローズという香りが大流行して、あちらからもこちらからもその香りが漂っていた時期がありました。そのティー・ローズというのは、このチャイナ系の薔薇の香りなんだそうです。ちなみに今、わたしが着けているのは「ローズ・イン・ロック」ですが、もっとモッシーな香り。大好きな「ステラ」も朽ちる寸前の薔薇の香りらしいし、薔薇の香りの香水ってほんとにバラエティー豊かです。会場ではさまざまな薔薇の香りも漂わせて、バラ園にいるような雰囲気も作りあげていました。

そおいえば母の孝子さんは黄色い薔薇がだいすきでした。でも、薔薇=フェミニンと、ストレートな解釈で表現されるものは嫌いだったような気がします。何か選ぶときも、個性的なものが好きだった。そう思って観察すると、孝子さんが好きなのはゴージャスなワイルドローズ「ロサ・スルフレア」。野生の花なのに、円熟したその感じがとても孝子さんらしいです。
ちなみに、わたしが好きだ薔薇も、半八重咲きの生け垣き薔薇、ロサ・セピウム・フォローレ・スブムルティプシキ。「最初は通り過ぎでしまうけど、何故か気になって戻ってよく見ると凄くきれい」という。想像力のない人には分からない、わたしのもつ「女性感」に共通しています。

スポンサーサイト

  • 2017.02.20 Monday
  • -
  • 11:09
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック
calendar
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
<< February 2020 >>
Petit CENACLE
「プティ・セナクル」「石澤季里アンティーク・エデュケーション」では毎回その道の専門家を迎え、経験豊かで探究心旺盛な都会の大人たちの欲求を満たす、個性溢れるカルチャーサロンを主催しています。
www.antiqueeducation.com
プティ・セナクルの旅カルチャーコース

2016/11/19〜11/26
旅して学ぶ貴族の暮らし「パリ、ヴェルサイユ、ロワール地方で18世紀のシャトーライフを体験 マリー・アントワネットの幸せ人生を辿る旅」の詳細はこちら


プティ・セナクルの本
2012年6月8日発売

「これから愉しむアンティーク ヴィクトリア朝」(メディアパル) 監修:プティ・セナクル/蜷川浩史・石澤季里・大原千晴・木本玲子・中島正晴、文:植田裕子/石澤季里
プティ・セナクルへのリンク
selected entries
categories
archives
recommend
パリ&パリから行く アンティーク・マーケット散歩 (FIGARO BOOKS)
パリ&パリから行く アンティーク・マーケット散歩 (FIGARO BOOKS) (JUGEMレビュー »)
石澤季里
2012年6月発売

掘り出し物に出合えるマーケットや蚤の市はヨーロッパ旅行の大きな醍醐味。せっかくパリまで行くのなら、近郊の個性派マーケットもめぐってみよう。定番のクリニャンクールからブルゴーニュのアットホームな大市、さらにブリュッセルやアムステルダムのマーケットも。
街歩きを楽しみたいアンティーク・ストリートも厳選して紹介。
recommend
これから愉しむアンティーク ヴィクトリア朝―なぜ生まれ、どう使われてきたのか (-)
これから愉しむアンティーク ヴィクトリア朝―なぜ生まれ、どう使われてきたのか (-) (JUGEMレビュー »)
植田 裕子,石澤 季里,プティセナクル
2012年6月発売

監修:プティ・セナクル/蜷川浩史・石澤季里・大原千晴・木本玲子・中島正晴
西洋アンティークのプロが語る、今ひそかにブームになっているわかりやすい入門書。ホームズやアリスがいたころのヴィクトリア朝の家具・食器・時計について全くの初心者の方でもわかりやすく、そして面白く解説した初めての本です。
recommend
パリ 魅惑のアンティーク (madame FIGARO BOOKS)
パリ 魅惑のアンティーク (madame FIGARO BOOKS) (JUGEMレビュー »)
石澤季里
2009年10月発売
大好きなパリの街で、自分だけの“とっておき”を見つけよう。あこがれのエルメス・ヴィンテージから、気軽に買えるキッチン用品や文房具、さらにアンティークなビストロやホテルまで、個性溢れる“古きよき物たち”に会いにいこう。全36ショップを紹介。
recommend
recommend
recommend
recommend
recommend
profile
links

PearlyBLOG



la note


ヨーロッパスローライフ −インテリア自由気儘空間−
search this site.
recent comment
recent trackback
sponsored links
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM