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「恋愛美術館」(朝日出版社) 西岡文彦著

西岡文彦さんの最新著書、「恋愛美術館」(朝日出版社)を読みました。

芸術家でもある西岡さんの「美」の定義が全編に渡って描かれています。

「美とは、なにものかがなにものを恋い求める際に、激しくかきたてられる感情を意味している。であるからこそ、恋いうること、恋われることを求める人の心は、そのまま美を求める心へとつらなることにもなるのである。」

モンパルナスの灯でも有名なモディリアーニやモネ、また、ダンテやムンクといった変わり種まで集めた恋愛作品集。
この本は、「美」を表現する芸術家達の激しく、美しく、ときに異様なまでの執着心や痛みまでともなう「愛」を研究した本です。



「さもあり」と思わせたのは、巨匠、ピカソの恋愛遍歴のすさまじさ。
彼にとって女性に恋愛対象として見られる事が「男」である証だし、
果ては「生きる人間」であることの証明でもあったそう。
だから、老いによって「男」でなくなったピカソは生きる屍と同じと自らを解釈し、「老いる事」すなわち女性に興味を失う事を否定していたのだそう。
天才画家のなにが、そんな不安感をかき立てたのだろうか?
人間あまり早く認められると、認められた事自体に無感動になってしまい、
それとは別の感動を熱望するのでしょうか?

このエピソードから、西岡さんが提示しているのは
「人は、その人らしく、年齢に見合った生き方を全うする幸福のさなかにある時、むしろ自身の年齢を忘れ、他者にも年齢を忘れさせる。」
ということ。深く心に刻むようにしよう。
現在、若作りせず、また未熟になり過ぎず、その年齢にあった生き方をするのは、なかなか、難しそうでもりますが、ね。

わたしが好きだったのは「ルノワール 芸術と青春の聖地」。
ルノワールの絵はどれも、とても平和できれい。
それは、世の中が不愉快な事で満ちているのに、なぜ、さらに不愉快なものを作る必要があるのだ、というのが彼の信条だったからです。
現代の問題点を掘り起こし、赤裸々に芸術に表現している芸術家も多いけれど、それが必ずしも観る側にとって気持ちのよいものではないこともあります。
とかく、現代アートにはそんな負の要素が見え隠れすることが多いようです。

最近わたしがルノワールに惹かれていた理由が、今になって解りました。
芸術が、雑誌が、エンターテーメントが、それに触れている間だけは
浮き世を忘れ夢心地にさせてくれることも大事なのでは?

死は時に、美しく描かれることがあります。
ムンクの章にあるのは、世紀末のデカダン、耽美主義の根底に流れる考え方。
「人は、人生のある時期を過ぎると、愛する者と会うためには自らが死を迎えるしかないという現実に直面し始める。
愛する父母を亡くし、師と慕う相手を亡くし、やがて友を亡くし、愛する異性も亡くし始めるからである。愛という、生を最も華やかに彩る思いの成就のために死を臨まなくてはならないという、巨大な矛盾に直面し始めるのである。」

人間はとってもちっぽけで、弱いから。
そんな切ない思いをバネに、人と関わり、笑って過ごしていきたいと切に願います。

いずれも、芸術家の人生を通して西岡さんの人生観を読み起こし、自分自身に問いかけられる読み応えある本。とても楽しめます。
是非、みなさん、1冊、そしてお友達にもう一冊ご購入ください。




JUGEMテーマ:アート・デザイン



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