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色遊びを楽しむジアン窯陶器

JUGEMテーマ:アンティーク

自分が書いた原稿は出来る限りファイリングをしています。
必要があって、その昔、書いた記事を探していたら、ついでに出て来たのが今から20年前にたった3回で連載が終わってしまった
光文社「クラッシィ」のもっと知りたいヨーロッパの陶磁でした。アンティーク鑑定を習いはじめ、アンティーク陶磁器のすばらしさに目覚めて企画を出して通ったものの、やっぱり人気がなかったのでしょうか。今でこそ、フランス陶磁のぽってりとした素朴さが認められはじめていますが、バブルの名残が残る日本では、牧歌的な陶器は受け入れられずらかったんでしょうねえ。

その輝かしい連載の初回が、今回の修学旅行で訪れたジアン窯です。
監修は、私のアンティークの恩師、マダム・ドロテ・ギョーム・ブリュロン。フランスのアンティーク陶磁器の本は、たいてい彼女の著作という、それはそれは大御所です。


19世紀はじめ、ロワール河の城下町に誕生したジアン窯は、イギリス人、ホール氏によって設立された窯元です。彼は、薪材に必要なオルレアンの森、白くて丈夫な陶器を作る為の石灰質の砂、そして運搬に絶大な力を発揮するロワール河に目を付けてこの地に窯を設立する事を思いつきました。釉薬をかけることで白くする、当時の陶磁器のなかで、ホール氏が生み出したのは、軽くて丈夫で真っ白なイギリススタイルの陶磁器「ファイアンス・フィン」でした。そして、それに「ポーセリンオパック」(不透明な磁器)と刻印し、粗悪な陶器との区別化を計ったといいます。それが功を博し、ジアンは発色のよいモチーフをどんどん制作してその名を不動のものにしたのだそうです。

そのなかには、転写印刷でパターンの輪郭を描き、それに色をつけたノスタルジックなラインの復刻版や、ノルマンディー地方のルーアンで作られていたいわおうぎの花と枝をちりばめた「サンフォアン」、また、南仏の高級陶器「ムスチエ」のジャガイモの花などのモチーフなどがありましたが、転写印刷を用いる事で、図案が華奢でヨーロッパ的に作れる事で人気の秘密でした。時代の波とともに、受けるものが違ってくるというよい見本ですね。

また、当時人気のあったユーモラスな風刺画を単色もチーフで描くことも、ジアンのスペシャリテのひとつでした。

ちなみに、今では貴重になってしまったメトロの入り口のタイルは、ジアンが制作したものなのだそうです。

その他にも、現在、国賓が集まるランブイエ城のために作られた「ランブイエ」は、秋の木々を貴重に狩猟に使われる騎士達の帽子や角笛、また、猟犬や獲物を描いた、非常にフランス的なモチーフ。これは、ジアンのあるソローニュ地方が狩猟のメッカとして知られ、ランブイエ城が代々の王侯貴族が狩猟を楽しんだから生まれたデザインなのです。

こんな場所にも「シャサ・クール」の伝統は残っているのですね。

とはいえ、こんないい連載をわずか3回でストップしてしまった編集長は、なんと社長まで登り詰めた並河良さん・・・。
今からでも遅くない、知的なページとたったひとり、感慨に浸ったのでした。


現在も、自社生産を続けているジアンの工場、そして美術館は訪問可能。
また、限定ラインを30〜80%割引で販売するショップは、陶器だけでなくテーブルリネンやキャンドルなども販売しています。愉しいお買い物をしたい方は、是非、訪れる価値ある場所ですよ。



 

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